プルルルル…

「…はい…
さくらちゃんですか?」

ちょっとかすれてる
店長の声

店長…
もしかして
寝てた?

「店長?」

「うん…店長だよ」

「寝てました?」

「うん…、
お昼寝してん、」

「お昼寝って
赤ちゃんみたい!」

「ヘヘヘ!
そやな、
30にもなってな!」

「ハハハハ!
けど可愛いですよ~!」

「俺可愛いのかけらも無いわ!
あ、学校終わったの?」

「はい、あと2分位でお家着きます」

「え!?
もうさくらちゃん家の近くの駅着いたの?」

「はい、」

「仕方ないな~、
学校終わったら連絡してって言うたやろ~!」

「…ゴメンなさい」

「さくらちゃん迎えに行こって思ってたんやで~?」

「あっ…そうなんですか
ゴメンなさいっ!」

「ホンマやわー!
この前の居酒屋の前居てくれる?
昼飯一緒に食べよ?」

「はい!!」

「じゃあめっちゃ急ぐからね!」

「待ってま~す!」

「バイバイ!」

プツッ
プープープー

あ…、
もう
店長切るの早いよー…

本当に急いでるんだね

そう思ったら
愛おしく思えた

この前の待ち合わせと
同じ居酒屋の前


駅から近いけど
本当に人通りが少ない

2人だけの
秘密の場所

みたいで好き


店長気付いてるかな?

最近私と話す時
ほとんど関西弁なんだよ

バイト先では
標準語なのに


心許されたみたいで
凄く嬉しいんだ