「ミア、お願いだから逃げないで。僕はミアと少しでも話したいんだ。お互いのことを知りたくて」

「だったら二人きりになってからにして!みんなの前で話しかけられると、私が悪目立ちするの!二人きりだったら話してもいいから!」

ミアがそう言うと、シュンと落ち込んでいたリーマスの顔が再び明るくなる。ミアの目には、嬉しそうに左右に揺れる尻尾が見えてしまった。

「わかった!じゃあ、これからは二人きりの時にアプローチするよ!」

そう笑顔で言った後、リーマスはミアを抱き締めてきた。突然のことにミアは顔を真っ赤にし、彼の胸板を押す。だが全く効果はない。

「ちょっと、人が来たらどうするの!?セヴギ!」

ミアは相手を引き離す呪文を唱えたものの、リーマスが離れることはなかった。ミアの杖からは相手を遠くに吹き飛ばす光線ではなく、赤いバラの花びらが飛び出していく。花びらは廊下に敷き詰められていき、まるで赤い絨毯のようになっていった。