「たくさんいるでしょ。地元の中学生たちを対象にして、学校・部活動の情報交換、中学生たちとの交流、指導方法などは全員で共有できる。一番は卓球歴が長いコーチが教えてくれるし、コーチに教わったことで強くなるの。一年生も楽しみにしていて。あっ、長谷くんはコーチの立場で来るから。卓球楽しんでね」
 先生は夏海の声を聞いていたのか、声を発した。
「いつも来て思うけど。他の中学校と話すのってなかなかないけどめんどくさいんだよね」
 築先輩は腕を組んで、どこかを見つめていた。私はどうしてですかと築先輩に聞いた。
「めんどくさい集団がいるのよ。ほら」
 築先輩の指をさした方向を見ると、ピアスをして、髪が明るい派手な集団だった。
「なんですか、あの派手な集団」
 私は聞くと、築先輩は言葉にした。
「強いんだよ。派手でうるさい割にうまいのがムカつくんだけどね」
 派手な集団を睨みつけて、答えた。私はそうなんですねと返事をした。
「はいはい、敵対視しない。あの人たちはあの人たちで頑張ってるんだから」
 花音先輩は築先輩の背中をポンポンと叩いて、なぐめていた。
「そうだよ。築。いつものことでしょ」
 七海先輩は真顔で返事をした。三年生は築~と明るい声で築先輩の後ろを抱きしめた。
 時間になったので、卓球練習会が始まった。
「皆さん。全校揃って参加できたこと嬉しいです。皆さん、なにかひとつでも得るものがあればと思います。今日はいい日にしましょう」
 卓球練習会の主催者がスピーチをしてから、各校は集まった。
 体育館では卓球台が複数台あった。中学生同士が話し合って、自由に対戦をしてもいい。 
 先生たちは隅っこに広いテーブルがあったので、そこで集まっていた。
「三年生はこの人たちと卓球してくるから、二年生はどうする?」
 部長の葵先輩は隣にいた同学年四人を親指でさして、二年生たちに聞いた。