最初に声を出したのは、恵子だった。私は恵子ちゃんの方をポカンと見た。
「素直じゃないなぁ。じゃあ、今日から名前呼びで!」
 桃は笑みを浮かべて、一年生に言う。
 先輩たちはよっと掛け声をあげて、拍手をした。
 この時から名前で呼ぶことに。
 下の名前ですぐ呼ぶのは簡単だった。すでに名前で呼んでいたから。
 その日を境に、一年生とよく話すようになった。まだ知らないことばかりだが、三年間一緒に活動していく。