推しからの溺愛にはご注意!

『えっ』



現実離れしたその美貌に、ただただ驚くだけだった。

なんでこんなところにいるんだろうか…。



『いきなり話しかけられたら驚くよね。私は純恋。君は?』


『…葵。一ノ瀬 葵。』



普段なら名字は言わないのになぜかその時は言ってしまっていた。



『一ノ瀬 葵…?葵くんかぁ、いい名前だね!あっ、カフェでお話しようっ!』


『俺なんかと話したい?…物好きだね、純恋ちゃん』



純恋ちゃんのほうを見ると眉を下げ、悲しそうにしていた。

なぜそんな顔をしているのかはわからない。

でも、そんな顔させたくないと心から思った。



『カフェ、行かないの?』



そう問うと、はっと我に帰ったように笑顔で腕を引っ張られた。

一軒のおしゃれなカフェに入る。

レトロな雰囲気で、とても落ち着いた空間だ。



『綾都(-アヤト-)!』



純恋ちゃんがいきなり大きな声をだした。

そちらを見ると、こちらもまた整った顔立ちのイケメンがいた。

そのイケメンは、どこか綾さんに似ていて懐かしかった。