推しからの溺愛にはご注意!

辛いこともいっぱい、いっぱい…か。

俺だけじゃないんだな…辛いのは。



『2人とも芸能界に入ったが、1人は俳優とモデル、もう1人は声優をしていてね。2人がしたいなら反対はしない、2人の人生だからな。』



2人の人生だからな、とそう言う綾さんの顔はイキイキしていてさっきまでの重い空気はどこにやら、清々しい空気に変わっていた。



『葵くん、君も君だけの人生を歩んでみないか?何もしないで後悔するより、して後悔した方がいいだろ?』



そうニコッと笑う綾さんはまるで1人の少年みたいだった。


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「芸能人になろうも思った理由はこれ。でもがんばろうも思ったのはーー」


ーーーその後ーーー


それから俺はいろいろな賞に応募しては落ちての繰り返しだった。

不貞腐れて、人気のないところで丸まっていると話しかけられた。



『君、大丈夫?』



透き通ったきれいな声で、さらにはとても可愛らしい女の子に話しかけられたんだ。