推しからの溺愛にはご注意!

ーーー8年前ーーー


その頃俺は、芸能人を目指すようになった。

親が社長で、金に困ることはなかった。

でも、俺に近寄ってくるのはみんな金目当てで家が嫌いになったんだ。

それから、たまたま学校に来ていた、綾(-リョウ-)さんに会った。

初めて会ったのに、なぜかリラックスして話せた。

話し終えた後、綾さんが言った言葉には本当に驚いた。



『ふぅん。お前の人生ってつまんなそうだな』



さすがにムカッときたけど、その通りで言い返せなかった。



『ただ与えられたレールにそって歩んでいる。そんなの、つまんないだろ?』


『でも、俺は…っ』


『確かに親に囚われることもある。僕…俺の子供もそうだ。』



綾さんの子供?



『俺はスタイリスト、妻は大人気モデル。そのことがバレるのが嫌で、学校では隠しているらしいがな』



そう悲しそうに言う綾さんは、苦しそうに顔を歪ませる。

親父達もそんなこと考えてんのかな…。



『あの子達は自分で自分の価値を見つけると言っていた。それで辛いこともいっぱいいっぱい経験している。』