そう言うと、黙り込む葵くん。
何か変な事言ったかな?
あっ!
飲み物用意してない!
急いで冷蔵庫からオレンジジュースを取り出し、新しく買った来客用のカップに淹れる。
「の、飲み物です。よかったら飲んでください」
「オレンジジュース…」
あ、あれ?
反応がいまいち…。
「オレンジジュース、嫌いですか?」
ファンブックのプロフィール覧に、好きな飲み物:オレンジジュースって書いてあったはず…。
「覚えてない?」
「…?何をですか?」
何を覚えてないんだろう…。
「初めて純恋ちゃんに会った時、純恋ちゃんが好きだって言ってた飲み物だよ?オレンジジュースって」
あぁ!
そう言えば、そんな事言った!
「それから俺も好きになったんだ、オレンジジュース」
うわぁ!
嬉しいっ!
推しと好きな物がかぶるだけでも嬉しいのに、私が好きだからって理由だったなんて!
はっ!
でもこれはファンとして同じファンの皆さんが許してくれるか…。



