「生まれてこの方したことないけど?マネージャーも知ってるだろ?」
なんとなくだが台本読んでたらその“人”がどんな人か、わかるんだよなー。
ザァと風が吹き、窓の外の桜が中に入る。
きれいだな〜
「そう言えば今回の役って桜みたいな子だよなぁ」
今回演じるのは男性。
どこか消えてしまいそうな桜の様に儚い人だ。
「たしかになー。題名も『桜のような貴方に恋をする』だもんな」
「今回の相手方って今有名なヤツだろ?どんなヤツかなー?」
この僕をワクワクさせられる役者だといいけど。
そう言えば前の『純』の作品に出てくれた女優さんの演技、なかなかよかったな。
「お前の相手役なんだから、それなりのヤツだろ」
「いーや?前あったじゃん?ちゅーとはんぱなヤツが相手役だったこと」
あれはちょっとイラッときたな。
まともに仕事しないでベタベタ、本当舐めてるよなー?
この業界はそんなに甘くねーっての。



