「…そう言えば葵くん」



ん?


純恋ちゃん?


ちょっと申し訳なさそうに言う純恋ちゃん。



「どうしましたか?」


「時間、大丈夫?」



時間?


時計を見ると、針が5のところを指していた。


17時⁉︎


やばい…!



「今日はありがとうございました‼︎」



急いでお礼を言う。


「うん。夢に向かってがんばってね?私はファン第一号として応援しているから!」



舞い上がりそうなほど嬉しかった。


好きな子が自分のファン第一号だなんて…っ!



「はいっ!」


ーーーーー


「てな感じかな〜」


「なんで“あの”綾さんとの出会いまで?」



不思議そうにする隆ちゃん。


ん?



「俳優になろうとしたきっかけだからだよ?」


「そうか…葵。」


「どうかした?」



真剣な顔をする隆ちゃんにゴクリと唾を飲む。



「大切にするんだぞ?」



なんだ、そんなことか。



「言われなくたって大切にするよ。…俺の生きがいなんだから」



君がたとえ、他の人を好きになっても俺はずっと君一筋だから。


今日も星がキラキラと輝いていた。