そう言われ、俺は向かいの席に座った。



『葵くんはさ、将来の夢ってある?』



夢…?

夢は…



『あるけど…』


『どんな夢?』



どんな夢…。



『俺、俳優になりたいんだ。自分の演技で人の心を動かせる俳優に』


『すごいね。じゃあ、私が葵くんのファン第一号になる…っ!』



気になっている子からそんなことを言われたら誰だって嬉しいだろう。


実際俺も、ちょー嬉しかった!



『俺のファン…いいのか?』


『うん!葵くんには、綾都と同じ何かを感じるし!』



えっ、綾都さんと同じ何か…?

そうだったら嬉しい、な。



『私がずっとファンでいる。だから、がんばって?もし芸能人になれたら絶対、一生ファンでいると思う…!』



この一言で俺は絶対芸能人になろうと思った。

純恋ちゃんがファンでいてくれるなら、絶対になる!



『あっ、見てみる?撮影現場』