瀬野先輩は高嶺の花を溺愛してもし足りない。

と思ったら、もう一度近づいてきた。


「え、あ、う」


再び動揺する私をよそに、先輩は制服のブラウスを指さした。


「悪い。それさっき汚れたよな」


「へ?」


自分のブラウスに目を移すと、確かにオレンジ色のシミがついていた。


「こ、これくらいどうってことないです。落ちないものじゃないと思いますし」


「まあ、野菜ジュースだしな」


……?


「野菜、ジュース…?」


「ああ」