「ルイス様だけでも納得いただけてよかった。わたくしが何度もそう申しても皆様、信じていただけなくて。それも何度も吐く溜め息の要因ですの」
「そうだったのか。いや、クロエも大変だったね。でも、アロイスが選んだ婚約者を心配する声を多いんだ。それは知っているかい?」
クロエは扇を広げ、頷く。
「それは杞憂となりましょう。ソレンヌ様――彼女は、ああ見えて大変な努力家です。きっとアロイス様の助けとなり、この国の素晴らしい国母となりましょう」
「ふむ、クロエがそう言うのなら大丈夫だろう。君は彼女の学友だったし。ただ今はアロイスに夢中だからそうだろうが、いずれ我が出てこないかと案じている」
「まあ……人は変わっていくものですから。これからソレンヌ様がどう変わっていくかは彼女とその周囲次第でしょう」
クロエは、その辺りは断言できず言葉を濁した。
「おそらくこのままだと君は、ソレンヌ様の唯一無二の親友として彼女を支えていく役割を担うことになる。――できるかい?」
ルイスの言葉にクロエは答えることができない。
おそらく周囲からそういう役割を背負わされ、彼女の友人として陰日向支えていくことになるだろう。
けれど、ソレンヌはそれをどう思っているのか?
ただでさえ『小姑』扱いのポジションで今では『悪役令嬢』という不名誉な名も付けられている。
その異名を付け広めたのは、他でもないソレンヌだ。
「そうだったのか。いや、クロエも大変だったね。でも、アロイスが選んだ婚約者を心配する声を多いんだ。それは知っているかい?」
クロエは扇を広げ、頷く。
「それは杞憂となりましょう。ソレンヌ様――彼女は、ああ見えて大変な努力家です。きっとアロイス様の助けとなり、この国の素晴らしい国母となりましょう」
「ふむ、クロエがそう言うのなら大丈夫だろう。君は彼女の学友だったし。ただ今はアロイスに夢中だからそうだろうが、いずれ我が出てこないかと案じている」
「まあ……人は変わっていくものですから。これからソレンヌ様がどう変わっていくかは彼女とその周囲次第でしょう」
クロエは、その辺りは断言できず言葉を濁した。
「おそらくこのままだと君は、ソレンヌ様の唯一無二の親友として彼女を支えていく役割を担うことになる。――できるかい?」
ルイスの言葉にクロエは答えることができない。
おそらく周囲からそういう役割を背負わされ、彼女の友人として陰日向支えていくことになるだろう。
けれど、ソレンヌはそれをどう思っているのか?
ただでさえ『小姑』扱いのポジションで今では『悪役令嬢』という不名誉な名も付けられている。
その異名を付け広めたのは、他でもないソレンヌだ。


