と、そこまで考えたときだ。

「コハルさま~~」
「!」

 開けっ放しにしていた窓から、外出していたメリーがふらふらと帰って来た。

「メリーおかえり。好みのお花あった?」

 メリーは羊によく似た姿をしているけれど、その見た目通り草食で、特に花が好きみたいだ。
 今も朝食を探しに近くを散策しに行っていたのだけど。
 私がそう訊くと、メリーはとても悲しそうな顔をした。
 
「それが……ここには全っ然メリー好みの美味しい草花がないのです~~!」

 そしてびぇーっと泣き始めてしまった。

「え、じゃあ何も食べてないの!?」
「一応、少しは食べてみましたけど、どれもクっソほどマズくて、あんなのメリーはもう二度と口に入れたくないのです~」
「そ、そんなに?」
「メリーは……メリーは……この国では生きていかれないかもしれません~~!」