と、そのときまた扉がノックされた。
 
「はい、どうぞ」

 扉を開けたのはカネラ王子だった。
 起きたばかりなのだろうか、いつも以上に眠たそうな目をした彼が少し掠れた声で言う。

「おはよ~。船酔いはどう?」
「おはようございます。もう大丈夫です!」
「そう、なら良かった。朝食の用意が出来たみたいで食堂に来てってさ」
「ありがとうございます。準備が出来たらすぐに行きます」
「よろしくね~」

 そしてカネラ王子はひらひらと手を振り行ってしまった。

 朝食と聞いて思い出したように胃が空腹を訴える。
 そういえば昨夜は何も食べずに寝てしまったのだ。
 振り返るとリューとメリーはまだ凄い形相で睨み合っていて。

「ほら! 朝食食べに行きますよふたりとも!」

 私はそんなふたりにぴしゃりと言ったのだった。