必死な顔でメリーはボフっと私の胸に飛び込んできた。
 確かに一応魔族だというリューにメリーは何度も自分から突っ込んで行っているし、平気そうではあるけれど。
 私はメリーを抱きしめて言う。

「一緒に来て欲しいのは私の方だし。ありがとう、メリー。でも、無理だってわかったらすぐに言ってね」
「はい!」

 少し心配だけれど、メリーが一緒に来てくれたら本当に助かるのだ。
 話し相手になってもらえるし、癒しの魔法は使えるし、見ているだけでも癒される。最高の旅のお供だ。
 それに、聖女の力を使い私が動けなくなってしまっても、メリーがいてくれればすぐに回復してもらえる。
 今回の旅で聖女の力を使うような事態にならなければ、それが一番良いのだけれど。

(そういえば、護衛をつけるって言ってたっけ)

 ふと昨日のリューの言葉を思い出す。

(どんな人だろう。護衛ってくらいだからきっと強い人なんだろうけど……)

 頭に浮かんだのはゲームに出てくるような強面でムキムキの戦士で、慌ててぶんぶんと首を振る。
 しばらくの間一緒に過ごす仲間だ。出来れば一緒にいて気を遣わない、話しやすい人がいいと思った。