そして、私は魔王というワードが上がったのを機に訊いてみることにした。

「今回の件、もし本当に魔族の人たちが関わっているとしたら、その目的はやっぱり魔王の復活なんでしょうか」

 リューがその瞳を大きくした。

「さっきメリーから前に魔王を復活させたのは魔族だったと聞いて……私、魔王が復活した経緯については何も知らないんです。魔王はどうやって復活したんですか? ……どうやって復活させるんですか?」

 するとリューは一度溜息を吐いて、低く潜めた声で答えてくれた。

「魔王の復活に必要なのは、多くの血と、怒り悲しみ恨みといった負の感情だ」
「! それって」
「あぁ。戦争が一番手っ取り早い方法ではある」

 多くの血……。
 想像するだけで胃がムカムカとしてくる。

「まぁ、調べてみないことにはわからないが、もしそれが事実ならば何としても阻止しなければならない」

 私は頷く。
 魔物が溢れ、恐怖に満ち溢れた世界。
 もうあんな惨状は二度と目にしたくない。