翌朝、私の熱はすっかり下がっていた。
 でもリューに大事をとって今日も休んでいろと言われ、隣の自室で文字の勉強をすることも許してもらえず、仕方なく一日中寝室でごろごろと過ごした。

 そして、そのあくる日。

「くぅ~~っ」

 完全復活した私は庭園で大きく伸びをした。
 外の空気が吸いたくなって、朝食前にメリーとアマリーと一緒にちょっとだけ庭園に出たのだ。
 早朝の澄んだ空気がとても気持ちいい。

「コハル様が元気になられて本当に良かったです」
「メリーも心配したのです~。いつでも癒しますので遠慮なく仰ってくださいね」
「ありがとうアマリー、メリー」

 ふたりにお礼を言う。
「花の王国」のことなどまだ心配事は多いけれど、体調が戻ったせいか気持ちも大分浮上してきていた。
 向こうの世界のことはもう考えないことにした。
 ここには、こんなふうに私のことを心配してくれる皆がいる。
 だからこの世界で自分の出来ることを精一杯しようと、また思えるようになった。