まあ、そんなことは知らないレオンハルトだから、なんとなく今も少し恐れる気持ちが抜けていないことに、国王はこっそり傷ついていた……。

「お父様が不憫というか、レオンハルトの気持ちもわからなくもないというか」
「切ないすれ違いですね……」

 コルネリアは紅茶を一口飲んで、手前にあったサンドウィッチをつまむ。
 この卵のサンドウィッチがコルネリアの好物で、ついつい手が伸びてしまう。
 人の行動に敏いクリスティーナはそれを即座に見抜き、近くに控えていたメイドに追加のたまごサンドを持って来るように伝えた。


 追加のたまごサンドが届いた頃、クリスティーナは気になっていた二人の関係について聞いてみた。

「レオンハルトは愛情をきちんと伝えてくれる?」
「ダンスパーティーの日に、その、好きって言ってくださって……」

 それを聞いて少しにやりとしたクリスティーナ。
 彼がそこまで真っすぐに気持ちを伝えられるようになったことに、嬉しさを感じており、そしてそれを恥ずかしそうに語る目の前の彼女の様子を見ても、うまくいっているのだなと思った。