校門だって、閉まってる。
2メートルくらいある校門を、
わざわざ…飛び越えてきたんだ…。

よく見たら宮瀬くんのパーカーは泥だらけ。

どこかでコケたりしたのかもしれない。

(宮瀬く…)

「隅野さん。
…いなくなっちゃって寂しいよな」

琴子は突然宮瀬くんの口から
飛び出た自分の名前に目を見開いた。

どうやら花に話し掛けているみたいだ。

心臓…はもうとっくに止まっているが
なぜだか琴子は
ドキドキという感覚が鮮明にあった。