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2年に上がったばかりの4月の事だ。

琴子は毎朝中庭の花壇に水をあげていた。

そんなある日。

「ねぇねぇ、これも仲間に入れてやってよ」

宮瀬くんが突然。
ジョウロに水を入れている所の琴子に
1粒の種を渡してきたのだ。

その時は珍しく、宮瀬くんは1人だった。

きっと朝練終わりだろう。
まだ当時は宮瀬くんと席が前後ではなく、
本当に、なんの関わりもなかった。