(どこにいるの…)

恐る恐る暗闇にそんな声を放つが
我ながら蚊の鳴くような…
弱弱とした声だった。

(ここだ、ここ)

また、どこからともなく声が……

しかし、やっぱりどこを見ても真っ暗。
誰も居ないし。何も無い。変な空間だ。

(だから…、どこ…きゃあ!)

その時だ。

琴子の視界の中心に
青白い炎がポゥッ、と浮かんだのだ。

空中でユラユラとしている。つい、
その様が綺麗で、目が釘付けになる。

まるで催眠術にでも掛かったかのように
琴子の手は青白い炎に伸びていく。
そして……指先がポゥッ、と触れた時だ。