横腹にナイフのようなものが
突き刺さっていた。
そしてそこから
ドバドバと真っ赤な血が流れ出ていたのだ。

嘘…

私…刺され……

血なまぐさい匂いが鼻をかすめる。
同時にここから
走り去る足音がやけに鼓膜に響いた。

あ、これ…、死ぬやつだ……

重くなっていく瞼に抗えず、
琴子は静かに……


目を閉じた​───────。