「十伊那?」



「セツ・・・・・」
お嬢様は下を向いて私に言った。




「申し訳ありません」


「・・・お父様に報告してやるんだから!!絶対に諦めない!!」


華様はそう言って私の前から姿を消された。



「セツ・・・・?『セツ』って名前・・・嫌?」



「いいえ・・・私は・・・『永田 セツ』でございます」


私の言葉にお嬢様が顔を上げられた。



クス。
「やっと・・・顔を上げられた・・・」