それは、まぎれもなく私の体操服袋。



「え、あ、ありがとう……!ごめんね、晃成くんだって忙しいのに」

「や、別に、そこは気にしなくていーよ。気づいたのは、俺じゃないし」

「え?」


「こらっ、なんの騒ぎ!?」



私が晃成くんの言動に引っ掛かりを覚えて声をあげると、どこからか女性教師と思われる怒声が飛んできた。



「やっべ。じゃあまたな、映茉」

「あっ、うん!ありがとう!」



手を振りながら、慌てた様子で走り去っていくその背中を見送る。


……なんで、私。



「ねー、今の鳥越さんの彼氏っ!?」

「えっ、ええっ!?」

今まで静かだった女子生徒たちがとたんに騒ぎはじめ、花田さんは目をキラキラさせながら私に詰め寄ってくる。