週末、実に一ヶ月半ぶりに両親がシンガポールから帰国した。



爽もさっそく挨拶をするため、ダイニングリビングへ2人で向かった。




「あら、爽くん久しぶりねえ。ますますイケメンになっちゃって」



ママが爽を褒める。



私のママは我ながらすごく綺麗だと思う。




なんてったって寺門家のメイドだったママに一目惚れして、パパがアタックしたんだもんね。


「奥様、ご無沙汰しております。相変わらずお綺麗で。」



「ちょっと、私の妻を口説くとは何事かね」



そう言って奥の方から笑いながら登場したのは私のパパ。



おじいちゃんが亡くなってから寺門財閥を支える、正真正銘のトップ。


そしてママにぞっこんなの。



「旦那様、ご無沙汰しております。」



「ずいぶんと、男らしくなったな。」




そう言って爽の肩に手をかける。



…前まであんなに身長差があったのに、今は爽の方が大きい。