次の日、放課後の個別学習の時間。
「先生、話しておきたいことがあります」
少し声が震えた。

「話ってなに?!」
先生は驚いた顔をしている。
普段私から話題を提供することがないから、びっくりしているのかもしれない。

「先生、昨日…私に謝ってくれたじゃないですか…スマホの件で…それで、私スマホの出来事があったあと、先生のこと避けてるように見えてたと思うんです。放課後、図書室で勉強したりして。でも避けてたわけじゃなくて、色々理由があって…」
言いたいことを伝えようとすると声が詰まる。

先生が口を開こうとしているけど、私はまだ先生に伝えたいことがある。
私が一番先生に伝えたかったこと。

「誤解されちゃってるかもしれないけど、私、先生ともっと仲良くなりたいです!」
言い切ったあと、心臓の鼓動がやけにうるさく感じた。

先生は、
「なんだ、そんなことか。別に気にしてないよ。ただ、俺キモいことしたから避けられちゃったかなとは思ったけど…」と笑う。
やっぱり誤解されてたみたいだ。

「そんなことまで気を使わせてごめんな。ありがとう」
先生が優しい笑顔で私を見つめる。
私が一番好きな顔だ。