気がつくと、見知らぬ天蓋付きのベッドに横たわっていた。
 ぼんやりと、テレビのリモコンを探すけれど、フカフカのクッションが手に触れただけだった。

「ここ……」

 目が覚めると同時に、先ほど起こった出来事が蘇ってくる。

「えっ、なにこの状況?!」

 勢いよく起き上がる。
 どうして私は、知らない部屋にいるのだろうか。

 その時、ドアを控えめにノックする音がした。

「――――入っていいわ」

 許可とともに、ドアが開く。
 そこにいたのは、一人の侍女だった。

「……ここはどこなの?」
「旦那様が、陛下より賜った屋敷でございます」
「……旦那様ってだれ?」