今日は始業式。


桜宮との関係を前に進ませた俺は会えるのを楽しみにしていた。


だが、“いつも通り“は必ず流れてくるわけじゃない。



「1年Aクラス桜宮美柑は、本校を転校した」



今朝の放送朝礼で校長の口からその言葉を聞いた時、俺は何も考えることができなかった。


俺の隣にいない。


そのこと以外、今の俺になんの生きがいがあるというのだ。


「桜宮は夏休み中に親御さんから直接そう言ってきた。夏休み中に本校で桜宮をみた教師がいるので聴衆をする。そのため、今日
の授業は昼までだ。昼食をとった後、下校」


桜宮がそんな、急に転校!?


一体、何の騒ぎがあったんだ。


休憩時間になると、俺たち3人は同じことを考えていたらしく、すぐに集まった。


「桜宮、どうしたのか知ってるか?」


「俺は知らない。最後に一緒にいたのはお前だろ」


そうだ。


あの、仲間が連れ去られた事件か。


「昼休み、屋上な」


俺はここでは話せないため、そう2人に提案する。


「「了解」」