「自分が1番好きだし、1番嫌い」


声に出してみる。


ずっと、声にできなかった私の本音。


熱くなった砂浜に転ぶ。


私の夏の青春はどこに行ったのだろう。


「…美柑ちゃん」


突然、私の目の前に亜湖が現れた。


「…亜湖」


亜湖は私のようなラフな格好ではなく、白いワンピースにブラウンジレを羽織っていた。


「久しぶり」


「イケメン発見」


なぜか私を指していう。


「本当はこうしてちゃいけないんだけどね」


「そうね」


「…色々悩んでる?」


亜湖も私の横に並んで転んだ。


「亜湖。それ聞いていいの?」


「…どう言うこと?」


「亜湖に聞かれたら全部話すよ?軽く2時間くらいかかるかと」


「それは遠慮しておくよ」


亜湖は苦笑してこう言った。