「…何?こんなに夜な夜な遅くに」
夏休み入って初めて会ったのは志連くんだった。
「そうだなぁ。さすがに女子を夜に呼ぶのは失礼だったかもな」
…そう牙城総長が言う。
「要件は手短に」
「ふっ、素っ気ない」
何を笑っているのだろう。
「五橋、どうした?」
「放したよ」
なんだ、その話か。
「ここだけの話、アイツら、六崎と共同作業で七尾の1番…、閃光と開闢を潰しにくるらしい」
「情報源はどこ?」
「…企業秘密」
総長は口に人差し指を立てて微笑みながら言う。
私が亜湖だったらどれだけ良かっただろうか。亜湖ならときめいてるだろうに。
「まあ本当の話とは限らないから。参考にはしておく」
「ふーん」
総長はいつもの雰囲気とは違った。
なんというか、どちらかというと音葉くんの雰囲気のちょっとチャラい系。
不良だから遊んでても何にもギャップを感じないけど。
総長にはいつもより色気があった。