あれから何ヶ月かたった頃。
…約3ヶ月か。
もう夏休み直前。明日から長期休暇だ。
6月に席替えをしたのでみんなバラバラになった。
ありがたい。
先生は生徒の気持ちを察することができるのだろうか。
「それじゃあ、良い夏休みを!くれぐれも安全には気をつけてね!」
そんな先生の言葉で高校1年生の1学期は終了した。
…だが私にはもうちょっと仕事が残っていた。
私は荷物を準備して手ぶらで教室を出て行った。
ついたのは校舎裏。
人気が少ない、というか人はいない。
そこに近づく足音が聞こえた。
「丸田」
「桜宮」
丸田励衣だ。
真凜ちゃんと同じ、天ヶ瀬のセーラー服を着ている。
「何の用?」
私がそう聞くと、丸田はポケットからハンカチを差し出した。
「これ、忘れ物」
丸田と前回会った時、落ちたものだろう。
だけど、わざわざ違う学校の校舎裏でするものだろうか。
「…これのためにわざわざ?」
「これは建前。私がハンカチのためにここに来ると思った?」
「思わないから聞いてるの」
すると急に黙り込んだ。
「前のあの件で私、考えたよ」
「…」
「あんなことやってても人を傷つけるだけだって」
あんたが目覚めさせてくれたよ、と苦笑いしながら言う丸田。
「ってことで、」
すると急に腕に抱きついてきた。
「桜宮さん!これからよろしくねっ!」
急にハイテンションになったのだ。
「は?」
「ってキャラで行こうと思う」
急にさっきのテンションに戻ったのがおかしくて笑ってしまった。
「ふふっ、何それ」
「これが現在のちょっと頂点に立っている女子のキャラだという調査結果からです」
「調査したの?」
「…まあね」