～桜宮美柑side～

翌日。


普通に学校に行った。教室につくといつも通り亜湖が声をかけてくれる…、ことはなかった。


あの日初めて声をかけられてから初めてのことだ。


最初はなんで面白くもない私なんかに声をかけて来るんだろう、なんて思っていたけど実際今では安心感があるものだと、なくな

ってから気づく。


「「「「…」」」」


音葉くんも、志連くんも来ていた。


でも、いつもみたいに話すわけではない。


それはそうだろう。


全員、敵対しているグループの頭なのだから。


もう、話すことはない。


昨日志連くんとはしっかり喋ったし、音葉くんとも何回か言葉を通わせた。


亜湖は…一言二言しか話してない。


来年…、もしかしたら卒業まで、特に必要のないこと、世間話などは話さない。


知らず知らずのうちに、私は幸せだったんだなと考える。


人間はものが無くなってからその重要さに気づくもの。


今気付いたところでどうもできない。


…楽しかったよ、今まで。