「私たちは友達っていう設定。みんな高校1年生。名前は全て呼び捨てと敬語なし」


「「「「は…うん!」」」」


よし、これでOK。


「そういえばさぁ、知ってる?駅前にできたカフェ。あそこのチーズタルトすっごい美味しいんだよ!」


「へぇ、そうなんだ」


「今度一緒に行こ!」


「うわぁ!行きたい行きたい!いつ行く?」


「明後日くらいでいいんじゃない?」


なんて話しながらついたのは無惨になった繁華街だった。


「…とにかくまだ演技ね。それから逃げよう」


「「「「了解です」」」」


「…あれ?話に夢中になったら違うとこ来ちゃった。戻ろ」


そう言って振り返ろうとすると私は手を掴まれた。


「…ねぇちゃん。丁度良かったよ。最近ストレス溜まりまくっててねぇ、あの開闢って言う奴らのせいで。ちょっと相手してよ」


腕にはしっかり筋肉がついているのが見える。


「美柑!?」


「へぇ、お前美夏っていうのか。まあ、どーでもいいけどな」


なんか名前勘違いしてるけどそれの方が好都合だ。


「誰がどうでもいいだって?」


私は一瞬にして手首を掴んでいた男の腕を振り払う。


「私はどこでもいるか弱い女子とは違うんだよ」


そしてどうにかして気絶させて後をたつ。


「やっぱり美柑は人間終わってるレベルに強いですねぇ」


「私人間終わってないから!」


そうですか…、となぜか真凜ちゃんは少し悲しそうな声で言う。


な、なんで…!?


「警察は来てないのかな?」


この騒動だったら絶対に来るはず。


「いや、塞がれてるらしいですよ?五橋は無駄に人数が多いですからねぇ」


真凜ちゃんがスマホにある他の子達が集めた情報を見ながら言う。


「早めに切り上げないとね」


私は人のいないところでワンピースを脱ぐ。


「さ、行こか」


「「「「はい!」」」」