音葉くんと別れてアジトに入ると真凛ちゃんがいた。


「あれ?美柑!?」


「今日、ここで寝泊まりしてもいい?…その〜、何日かもしれないんだけど」


「…いや、ここの持ち主美柑ですけど…?わ、私は大丈夫ですよ!」


真凛ちゃんは一人でここに暮らしている。


実際、真凛ちゃんの家はあるけど、事情があってあまりあっちには帰らない。


「どうしたんですか?美柑」


真凛ちゃんがホットいちごオレを持ってきてくれた。


そして私はまた、あったことを話した。


「…そうなんですね…、お母さんが…」


「あそこに、お姉ちゃんいたでしょ。私、ずっと2人の表面だけしか目見てなかったのかもしれない」


私の背中をさすりながら真凛ちゃんがこう言う。


「無神経かもしれませんが、美柑は何も悪くないと思います」


「…ありがとう」


「あと。聞きたいことがあるんですけど、」


「なに?」


「美柑っ、あの音葉くんが開闢総長だったなんて聞いてないですよ!?」


あー、真凛ちゃんには言ってない気が…


「何があったのか分かりませんけど!ちゃんと言ってくださいっ!グループとしても、私の好奇心としても!」


「うん、分かった。…大半は好奇心だとは思うけど」


「…正解です」


真凛ちゃんが、ギクっとしてこう言った。


「あ、私、ご飯手伝うよ!」


「ああ、夕飯はできてますよ」


え?


「でも、1人分しか作ってないんじゃ…?」


「いえ。明日でも食べれるように多めに作っておいたんです」


「ありがとう…!」


真凛ちゃんはすごい気が利く…!