1番近くて、1番遠い。

「それと桜宮さん」


「はい?」


何を言われるのだろう。


「お家の都合、もし良かったら鳳雛に戻っておいで」


「…え?」


私の思考回路は一瞬停止。


だって、転校ってそんな気軽なものじゃない…!


この際、全部話すしかない。


「うちは家の都合と言うか…、その、正直言いますと、教頭先生に顔を見られてしまい…」


「うん」


…はい?


「それねぇ、一個提案があるんだけど。あのお姉さんを使ってもいいかな?あ。これ今は校長じゃないからね」 


普段との声のギャップが怖い…


「本人にも確認するけど、お姉さんは一応警察行かないとだし」


「それって、俺らすっごい贔屓されてません?大丈夫です?」


「うーん、それは…、」


さすがにダメだと…


「まあ、いいんじゃない?」


緩っ!?


「はいはい、この話終わり。2人を引き取って帰るね」


「ありがとうございます」


「まあ、あの件は決まったら学校に報告してね」


そして校長は帰って行った。


「え?志蓮連れて帰らないんですか?」


亜湖が志蓮くんにこう言う。


「んー、なんか自分で帰れってのがウチの方針で…」


志蓮くんの家にも色々あるらしい。


「じゃあ、久しぶりに4人でかえっか!」


「そうだな」


志蓮くんの提案に音葉くんが答える。


「あ、あの、ちょっとだけ待っててくれる?」


私はこう言った。


「いいけど…」