1番近くて、1番遠い。

「山内」


「なんだ、よっ」


「貴様は私に対して多大な迷惑行為を曝した。絶対に黒鶫を消滅させてやる」


「さ、桜宮!?」


音葉くんが私を呼ぶ。


でも、その前に私の足は動き出してしまったのだ。


後ろから涅槃、開闢、閃光など関係なく、黒鶫を消していったのだ。


でも、この倉庫から出ていったところもある。


「無駄に大人数なんだよ」


今の私にかかれば無敵とも言える。


が、実際倉庫の外に出てみると、真凛ちゃんが倒れていた。


「大丈夫?どこ痛い?」


私は真凛ちゃんの体をすこし持ち上げて抱きしめながら聞いた。


けど、反応がない。

「真凛ちゃん!」


流石に心臓の音は聞こえる。


どうしよう。真凛ちゃんを放ったまま倒しに行くことなんてできない。


すると、目の前に誰かが現れた。


く、黒鶫だ!殴られる!


「…はぁ。なーんでここで美柑ちゃんの優しさに漬け込む人がいるかなぁ。ほんと卑怯」


亜湖だった。


亜湖が庇ってくれた。