そこまで仕込んでいたとは…!


山内がニヤッと笑う。


「そうだな。俺は鳳雛にもいるし、天ヶ瀬にも通っていた。他にも暴露してあげようか?」


「私の質問と交えて、ね?」


「…いちいち気が触るな、お前」


言わなくてもいいことを…


「じゃあ、気になること全部質問していくよ?」


「ああ、お好きに」


「隣にいるのは?」


「彼女だよ」


「工藤真凛が攫われたのも、隣の彼女が危機にあったのも、全部黒鶫の作戦?」


「正解」


すると、励衣が私だけに聞こえるようにこう言う。


「真凛先輩を運ぶ時、アイツに会ったんだよ。忘れ物をしたとか言ってたけど、実際様子見だったんだな」


音葉くんの言う通り、全て仕組まれていたのだ。


「あの教頭もグルでしょ」


「うん、そうだね」


こりゃあ、やられたよ。