「閃光のことは話してないですよ」


「あと、予想外のことが起きたら身バレするかもだけど大丈夫だね?」


「はい、もちろんです。第一なのは安全ですから」


「ありがとう。…それで、なんでここにいるの?」


真凛ちゃんは少し考えてこう話してくれた。


「私が瑠偉くんについて行ったんです」


え?


「見学のつもりだったんですけど、急に始まったので危機を感じて仲間を呼び出してしまいました」


「今日いつものとこ行ったんだけど、誰もいなかったからびっくりしたんだよ」


勝手なことしてすみません、と真凛ちゃんは言う。


「で、麗は?」


「麗もあれから来ていません」


麗が見つからない。


六崎に隠れているのだろうか。


「励衣」


「あ?なんだ?」


「励衣の身バレは大丈夫?」


「私はもう五橋で身バレしてるっちゃしてるし、隣り合ってる六崎にも情報が行ってるっちゃ行ってると思うから」


「いざとなると閃光から離れた扱いになると思うけど」


「大丈夫だよ。陶酔のことは終わったけど自分に必要なものは自分で守る」


「名言吐いたね」

「名言じゃないわ!っていうか、吐いたって、表現おかしいでしょっ」


私にツッコむ丸田に真凛ちゃんが注意する。


「丸田、ちょっと声を抑えてください。いくら下がったとはいえ、手を出してくるかもです」


「ああ、ごめん」


「真凛ちゃん、私のトップクは持ってる?」


「はい、持ってきています」


ここら辺では珍しく、総長、副総長、幹部ぐらいしか特攻服を着ない習慣がある。


…理由は知らないけど。


すると、隙を狙ってからか涅槃の下っ端と思われるやつがこちらへやってきた。


それを真凛ちゃんが率先して倒す。


「ありがと、総長」


「美柑より上の立場に慣れてないので照れます」


「ふふ」