「このくらいでこけるようならコイツを守ることはできない」


「…そうだ、な」


認めてしまった。


「それで桜宮。早く来い」


「…誰が行くと思ってんの?」


「がっ!」


私は見和くんの目を気にすることなく、ソイツを倒す。


「(!?)」


「何の関係もない一般人を突き飛ばして、早く来いなんて。あんた、どこの総長から教わったの?」


「…るせぇ」


「うるさいって、この状況からあなたの方が不利に決まってるんじゃない?見和くんだって、もう画面を110番にしてるよ?」


「…俺は開闢だよ。お前を早く呼べって」


開闢!?


「その要件を早く言ってくれればよかったのに、不審者面して言うから…、なんて言い訳だ。ごめんね、急に転がせて」


私が顔の前に手を合わせて謝ると、ソイツの顔は赤く染まった。


街灯でそれがよく見えた。


「で、どこにあるの?」


「六崎第3倉庫だ」


「了解。…あんたのその言葉に裏はないね?」


私がそう聞くと、


「ない」


手を挙げてそう言う。


「ごめん、見和くん。この人、交番に届けておいてくれる?あと、身分も確認しておいてほしい」


「わ、分かった」


「連絡先交換して」


そして見和くんの連絡先をもらって。


「任せてごめんね!またお返しは今度するから。私はこれから用事があるから離れるね」


そう言って、六崎まで行った。