するとここで今まで隠していた何代も次いできた私の野生本能が働いてしまった。


「潰しにいこ」


そう言って立ちあがろうとすると、誰かにはがいじめにされて抑えられた。


「美柑ちゃん」


耳元でこう言われた。


「…見和くん」


もう会わないって言ったよね。


会いたくないんだよ。


でも、人肌が欲しかった今の私には嬉しかった。


「なんでこんな時間帯に外にいるの」


「言ったでしょ、中学校の私じゃないって」


「それでも、美柑ちゃんが好きだよ」


ここで、見和くんと付き合っていたら何も言われないんだろうか。


お母さんと同じように、我慢することで幸せを掴むのだろうか。


「寂しかったんでしょ、こんな河川敷で1人って」


見和くんは昔と同じように優しく聞いてくれる。