「開いてない」


真凛ちゃんがまた自宅に帰って締めてしまったのか。


仕方ない、ぶらぶら歩こっかな。


「ふぅ…」


私は、すぐに帰るからアジトの鍵は持ってない。


「色々、疲れたなぁ」


学校ではまだ慣れなないからか緊張するのもあるし、何よりメンバーだ。


それに家では真実を次々と明かされ、追い出され。


夜、まだ暑いような涼しいような河川敷に座る。


「私の居場所、どこかな」


誰に聞かれる訳でもない問い。


いつ、解消されるのだろうか。


今、音葉くんも、志蓮くんも、亜湖も、真凛ちゃんも。



菜緒も茉響も絢も麗もみんないない。


ひとりぼっちだ。


なんで、こんなに虚しいんだろう。


夜が明けたら、会えるのに。


この数時間、ひとりぼっちだよ。


今が夜行性である不良の動ける時間帯なのに、なんで弱っているんだろう。