“桜宮美柑side”


「…連絡先…、交換しておけば良かった」


あれからまた日にちは飛び、私はベッドに転がり、スマホを触っていた。


「…美柑」


突然、ノックをしたお母さんが部屋に入ってきた。


「何?」


「美柑、正直に答えて。今、美柑に彼氏はいる?」


「いないよ」


私は即答する。


なぜこんなことを聞くのだろうか。


「そう」


なんだったのだろう。


お母さんは興味が一気にないように部屋を出ていった。


元々私になんか興味がない母親だ。


…お父さんがいた頃は全然そんなことなかったんだけど。


私がなんかしようとしまいと、放って置かれるだけ。


すると、またドアが開いた。


「彼氏じゃなくて、好きな人は?」


「…いるよ」


というか、なぜこんなに聞き込まれなきゃいけない。


誰に彼氏彼女がいてもいいじゃないか。


すると、こっちにお母さんが来てベッドに座った。


「…どんな人?」


「優しい人だよ」


「年齢は?」


「同い年」


「一般人?」


「一般人ってどう言うこと?…アスリートとか、アイドルとかの以外の人ってこと?」


「違う。美柑みたいなのよ」


それはまさしく、不良だ。


「…一般人じゃない」


「どこのグループ?総長?」


私に拒否権はないのだろうか。