「…音葉くんはいいんですか?」


「音葉くん…」


そう思うとまた悲しくなってくる。


「ああ、あの横にいた奴?」


「うん」


「アイツ顔はいいけどなぁ。こえぇんだよ」


励衣は、猫被りをやめて今はそのままの喋り方になっている。


「優しいけどなぁ」


「それは美柑だけな?」


「そういう丸田はどうなんですか?」


「私?私はそう言うのは無関係だよ」


「へぇ?」


真凛ちゃんと励衣が珍しくちゃんとした会話をしている。


「そういうあんたこそどうなの?」


「先輩にあんた呼びですか?」


「美柑はいいのかよ」


「美柑は私より上の身分であり親友です」


そう誇らしげに言う真凛ちゃんがとても可愛かった。


「真凛先輩、私のサンドイッチ、一つ入ります?」


私はちょっとふざけて真凛ちゃんに聞く…


「美柑!?…くっ、尊い…」


頭を抑える真凛ちゃん。