「で、今度はどしたん?」

そう言っているのは、桂帆乃夏(かつらほのか)だ。

帆乃夏は千春の保育所からの幼馴染みで同じ美術部だ。そして、千春の相談相手である。

「実は…」

私は今日のことを全部話した。

「何それひどーい」

「私あいつデリカシーないからきらーい」

「まぁ嫌いかどうかは今はおいとこうよ」

「そういやデリカシーないと言えば、あいつもデリカシーなかったよなぁ」

「あいつ?」

「和佳(わか)」

「和佳なぁ…」

「あっ…もしかしてまだ立ち直れてない?」

「まぁね」

「なんかごめん…」

「いいよ全然」

「それより今は大樹の話やろ」

「そうだった」