◇◆◇

 そんなこんなで、その後、学校でも、誰にも見えなかったらしく、先生にも友達にも、全く注意されなかった。

 魔法道具ってすごいんだな。
 いや、アランがすごいのか?

(えーと、魔界、魔族……?)

 そして、昼休みに入って、俺は図書室に来ていた。アランと出会って、ふと魔界がどんな所なのか、気になったから。

 だけど、図書室で本を探すのって、結構大変で、魔界の本がどこにあるのか、さっぱりだった。

「えーと……あ!」

 だけど、それからしばらく探し回って、それっぽい本をみつけた俺は、グッと手を伸ばして、壁ぎわにある少し高い本棚から本をとる。だけど

「わっ!? 痛ッて!」

 一冊だけ取るはずが、その本と一緒にバサバサと何冊も落ちてきて、しかも、一冊は俺の頭に当たった。

「っ~~……ッ」
「大丈夫?」

 痛くてうずくまっていると、そこに誰かが声をかけてきた。顔をあげれば、そこには、花村(はなむら)さんがいた。