反対にライバルに負けて好感度が低いと、お飾りルート。
ライバルとリシャールのイチャイチャを横目で見つつ、公務だけをさせられてしまう。
それに耐えられなくなった私が仮死状態になる薬を飲んで、死亡偽装した後に王城脱出、薬の入手と国外逃亡を手助けしてくれたエイドリアンとの『王弟』ルートと。
隠していた聖なる力を発揮して、蔑ろにしてくれちゃった関係者全員に盛大なざまぁしてからお迎えに来て貰うノワールの『魔王』ルート。

お飾りではどっちのルートを選択しても、リシャールは偽りの『光の乙女』に夢中になって、消えた正妃の私を冷遇していたことを自己陶酔型ポエムにして、後悔するんだけどね……バカめ。
一生、グダグダ自分を憐れんでろ。

リシャールなんて要らないから、私は敢えて、お飾りを選ぶ。
だから、現状エイドリアンとノワールの好感度は保険としてキープしておくの。



「あ、ありがとう……ございました!
 あたし、貴女にひどいことしたのに、助けて貰えるなんて!」

「……いいの、気にしないでね?
 あのひと達もちょっと行き過ぎただけだから」


スパイだの、処刑だの、ちょっと暴走気味で怖かったね?
この自称ヒロインのブリジットさん、この世界が『底辺令嬢~』と思い込んで行動していたのよね。
だけどここは違う、って知らないのは、多分。
……このゲームが発売される前に前世の彼女は亡くなってるんだね。



このゲーム、世間に広く宣伝されてた仮タイトルが
『底辺令嬢~part2』だったんだけど、発売された本タイトルは
『身も心も全部をあなたに~悪役令嬢ですが、全方向から愛されています! 』でした!