君にかける魔法


「モモ?」
「あっ、」

考えすぎか。
冷静になろうと、私は飲み物を飲む。
まだきっと未練があるんだろう。

「昨日みたいなのはあれだけど、何かあったら相談にのるからね、言ってね」
「うん。大丈夫。」

ナツキが何を考えているか、この時私は全くわかっていなかった。


ナツキが調子を取り戻し、クルミと隣のクラスの子達と大人数でテーマパークを回ることになった。
本当に2人と仲良くなれたことで、自分が関わりを持ってこなかった人達とも仲良くできている。

2日目の楽しい時間はあっという間に終わった。
あれだけ具合が悪そうだったのに、ナツキはその後その辺にあるフードを片っ端から食べていた。
おかげで、私たちはホテルのバイキング形式の夕食の箸があまり進まなかった。
状況をどこで把握したのかは分からないけど、星川先生はナツキを見て呆れていた。


その夜はすんなり眠れた。
流石にエナジードリンクの効力も切れたのと、一日中歩き回ったからかもしれない。











『寝ちゃったね…』
『多分、というか絶対昨日寝てないわね』

『え!?飲み物買いに行っただけじゃなかったの?部屋出たの』

『あのさ、私がいるのに、攻めすぎなんですけど。』