君にかける魔法

修学旅行2日目の朝。
まだ誰も起きていない時間。
私は休憩スペースから部屋に戻ろうとした。

「美園さん」
「ほ、星川先生!」

すっぴんに可愛らしいパジャマ姿の先生と廊下で鉢合わせてしまった。

「朝、早いのね」
「あ、はい!」

必死に誤魔化す。
夜通し自分の部屋に帰ってません、なんて結構やばい人だから…自分でもわかってる。

「なんか顔白い?ねてないでしょ?」
「あっ、」

なんて鋭い。
星川先生の直感は大当たり。
流石に誤魔化しは聞かなかった。
でも特に星川先生は怒ることもなかった。
むしろ、

「こんなものを学生に教えるのは先生っぽくないけど…」

自動販売機にお金を入れ、見慣れない飲み物を買う。
「これで半日は絶対持つから!」

そういえばこの人はナツキのお姉ちゃんだ。
早朝なのに明るいテンションで私にエナジードリンクを手渡す。

「夜はアルコール、朝はカフェイン摂取しないとやってらんないのよねぇ…」
「いただきます」
「どーぞどーぞ」

これが大人ということか。
人生初エナジードリンクは炭酸のシュワシュワ感と、中毒的な甘さで、本当に目が覚めていった。

「目、覚めた?」
「はい、とても」

一晩寝てないと思えないくらい目が覚めた。

「ナツキ、何かやらかしてない?」
「え…」