君にかける魔法

真ん中のベッドに3人集まって、ナツキが出してくれたお菓子を食べる。
おもむろにテレビをつけると、いつも見ている番組とは違う番組がやっている。

「これ、関西ローカルだから見たかったんだー」
「ナツキこの人好きだもんねー」

どうやら関西を中心に活動しているアイドルグループらしい。

「この子、モモに似てない?」
「それ、1年の時から言ってるわよ」

画面の向こう
右端の方にいる、私と同じくらいの髪の長さの女の子。
こんなに可愛い子、全く似てないと思うけど。

「この子はSNSとか雑誌とかでしか見たこと無かったけど、ちゃんとアイドルなんだぁ……」

そうなんだ、と相槌を打つ。
ナツキがアイドル好きなんて、しかも女性アイドルが好きなんて少し意外。
前にオススメの曲とか教えてくれたりしたことがあったけど、洋楽とかk‐popが多かった。

「絶対自分じゃ慣れない雰囲気だから、惹かれるんだよねー、かわいいー!」

ナツキはテレビに釘付けだ。
どうやら、オタクな1面は恥ずかしくてなるべく見せないようにしていたそうだ。
それなら、私に見せても良いの?とも思ったけど、テレビに集中しているナツキを見て、言うのを辞めた。

「悠長にしているのはいいんだけど、もうすぐ時間よ」

クルミが壁掛け時計をみて言うと、3人で夕食会場に向かった。